アーガルグ・リーオニス
降臨描写 | それは馬ほどもある巨大な爬虫類の姿をしていた。大昔に存在した恐竜のような、それよりももっと獰猛で狡猾な生物の姿。 爪、牙は黒曜石めいたぎらぎらとした輝きを放ち、鱗はつや消しの黒い石を重ね重ねて貼り付けているようだった。 だが、それだけならばまだアマゾンの奥地にいるナイルワニの変種だとでも言えば動物園で見世物にもできただろう。 彼女、そうだどこか女性的なうねりを見せつけたアーガルグ・リーオニスはその姿を現し、一拍の間を置いて。不均等に生えた六つの目玉をぐぱりと開き全ての目でもってこちらを凝視したのだ。 それは腹にも、腕にも、頭部にも、背にも、尾にも存在し。生物かくあるべしと神が定めた頭部に二対の目という法則を全く無視した様相を呈していた。 |
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特殊な行動:待ち伏せ | 隙間に目を凝らせば、ネズミらしい小さな影がじっとしているのがわかった。 ただのネズミなら追い払うだけでよかっただろう。心優しい人間であるならいっそ見逃すかチーズでも与えたかもしれない。それが本当にただのネズミであったならば。 あなたに見つかったと知るや否や、それはあっさりと巨大な正体を現した。小さな前足は頑強な鱗に覆われたかぎ爪に変わり、手のひらに乗るほどの大きさの胴体は大型トラックよりも膨れ上がる。 いや、元より隠れる気などなかったのかもしれない。ただの趣味嗜好の狩りに人間が付き合わされていただけなのだろう。 それは黒い身体のあちこちに六つの目玉をぎょろりと生やし、確かにあなたを得物を見る目で見つめ、嗤った。 |
致死描写 |
アーガルグ・リーオニスは黒曜石の鋭い爪と牙をもって不信心者を鏖殺せんと凶器を振りかざす。 それは人間にはとうてい太刀打ちできない強靭さと鋭さを備え、ただのひっかきひとつで紙人形の如く人間の体は引き裂かれた。 傷口に毒が廻り、あっという間にぐずぐずと腐り落ちていくのが見える。白い骨の垣間見える裂傷からぼたぼた垂れる血にも、できたての死肉にも目もくれず。 殺戮だけが目的と言わんばかりに彼女は死者を踏みつけにして歩いた。 |