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アザトース

分類:外なる神
容姿:巨大な偽足を備えた泡立つ肉塊
信仰者:ゴーツウッドの魔女カルト、シャッガイからの昆虫
降臨描写 空いっぱいに広がる白い泡立った体は、まさに混沌と呼ぶに相応しい姿をしていた。
どのような生物にも存在しないであろう肉の造形物が体表に浮かんでは飲み込まれていく。ぶつりと浮かんでは弾け消え腐り落ちまた産まれゆく肉。肉。肉。
千切れ落ちたそれもまた親と同じようにひとりで浮かび上がり、分裂し、増えていくのが見える。
単細胞分裂とてあれほどに早い増殖はできなかろう。
皮も骨も脳も内臓も何もない、ただ肉だけの白痴の塊が、その恐ろしい偽足をもってあなたがたの希望を叩き潰しながら降臨する。
全てが生み出され、食われゆく誰にも制御できない力の塊が、そこにあった。
特殊な描写:アザトースの宮廷 アザトースの宮廷には様々な生命の姿があり、そこに住まう者たちは動き、嗤い、楽しみ、腐り、生き、狂い、何もかもがねじれていた。
吹き鳴らす音楽は不協和音を煮詰めて作ったような楽譜に添い、それを奏でる楽師さえも手らしい手も口らしい口もない、楽器と体が混然一体になったかのような無機物とも有機物とも呼べぬ代物。
周囲でぎゃあぎゃあ騒ぐ子らひとつとっても下半分だけの人間の顔を突き出し震えながら笑うもの、燃えるリンでできた青白い炎の塊に奇怪な腕らしきものが生えたもの、有機的な筋線維で接続した金属の体を揺さぶってがしゃがしゃと騒ぐものと人間の想像し得る生命の形を逸脱しきっていた。
そうして何よりもおぞましいのは、彼らの周囲には明らかに人間と思しき影があり、彼らは一様に狂ったこの音楽祭を妙なる調べとでも言わんばかりにうっそりと聞き入っていることだ。
アザトースの寝がえりひとつで彼らはぐちゅりと潰れ、腐り、それを他の者は羨み、また羽の生えた馬蝙蝠らしき生物が新しい人間を運び入れる。
腐肉の神を讃える。殺される。ただそこで腐る。讃える。殺される。讃える。
気が遠くなるほどに腐臭漂う宴は永遠に続くかのように思われた。
致死描写 強靭な偽足はその1本1本が家の高さほどの大きさを備えていた。
打ち下ろされる足から逃げる術はとうてい存在せず、ただ気まぐれに振り回される知性のない動きの先に、偶然ヒトの姿があっただけで。ぐじゅりと音をたてて誰かが潰された。
骨は遅れて。肉が先に。皮はとうに裂け、血は吹き出し白き肉足に垂れ広がる。
押しつぶされ磨り潰される筋肉は血を広げながら地面に擦りつけられ、伸してシート状になった血肉の中に、切っ先を空気に晒しながら砕けた骨がただ突き刺さっているのが見えた。

ザーダ=ホーグラ(アザトースの化身)

容姿:巨大な二枚貝。貝の中には黒髪に覆われた、口のない顔がある
信仰者:シャッガイからの昆虫、ミ=ゴ
降臨描写 闇の奥から現れたそれは一匹の巨大な貝であるように見えた。複雑に噛み合わさった口と、多くのフジツボやコケらしきものが付着したぎざついた表面を備えた。
しかし貝の口がゆっくりと開かれると共に、ただの貝であるという考えは払拭される。
身は緑にねばつき、クラゲのポリプを思わせる入水管が数本生えている。
貝の下部にどろり落ちた緑色の身はまるで王座を抱くかのようにのろりと貝殻を持ち上げ、そうしてゆっくり開く奥に人とも獣ともつかない顔が存在している。
暗闇に光る黒髪は人間のものに似て、しかし口はなくひどく窪んだ黒目のない眼らしきものがただ虚空を見ている。たちまちに湧き上がる本能的な恐怖は、暗がりから見つめられているかのような瞳めいた貝の水管のせいか。
体はただ緑色の軟体をゆらめかせ、そこに在るだけ。暗闇で奇妙にうねる目玉らしき何かだけがゆらゆらと浮かんでいるようにも見えた。
致死描写 ザーダ=ホーグラの貝殻が大きく開くや否や、中央にゆらめいていた顔がげらりと嗤ったように見えた。
緑の肉は泡立ち、熱と膨張とでぶくりと膨れ、中央に鎮座していた顔がてらてらと光に照らされる。
膨れたのはひとつきりではない。ぶくり、ぶくぶくとまるで痘痕のようにいくつもいくつも膨れた肉豆が浮かび上がり、泡立つ肉塊が蠢いている。
熱を孕んだ肉塊は探索者が驚き、固まった一瞬に。目も眩むほどの閃光を放って爆発した。
音もなく大地が、空気が燃え上がり蒸発する。白色の熱が半径50mに襲いかかり、ヒトの体は火傷などという甘っちょろい痛みを受ける間もなく、意識も細胞も一片たりとも残すことなく焼き消えた。
白色の中で尚ゆらめく暗緑色の貝は、炎が収まってからもゆらゆらと佇んでいた。

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