Aphoom Zhahアフーム・ザー
降臨描写 | 凍り付くほどの冷気がその場を覆ったと思えば、またたく炎らしき存在が現れる。 炎から発せられる光は大きくなり小さくなり、呼吸をするかのように鼓動を打つかのように瞬きをするかのように。 焔が揺れるのに合わせて光量はさまざまに変化し、病的なまでの冷気が人間の体を襲う。 吹き付ける吹雪より凍れる温度が、その炎を中心としてただただ死をもたらしていた。 |
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致死描写 | ゆらめく暖かな色合いは、しかしほんの少しも温度を持ち合わせてはいなかった。 またたき、ゆらめき、おどり、手を伸べる炎から発せられたのは人も動物も植物も凍らせ死に至らせる冷たい光ばかり。 その光は地上のあらゆるものが停止する最も低い温度に達し、原子の動きさえ停止させる強制力を孕んでいた。 凍れる炎に触れられる、ただそれだけであなたのあらゆるものが凍り付き死を見た。魔術的な炎は冷たいナイフの如き殺気を尖らせ、指先から死を与える。 爪が、指が、凍り壊死し崩れ血管を通って腕から霜が立つ。 心臓に凍れる炎が潜り込み全身へ鼓動と共に送り出され脳の隅々まで行き渡り、いっそ凍れる炎の幻想的で意思のない殺意と深層意識というイドで対峙するかのようだった。 体は凍り崩れる。意識は凍てつき死の暗き穴へ向かう。 端から端から崩れる体は、血の一滴すら赤い氷となって吹く冷風にばらばら零れ、ただその場に小高い肉片の山を作った。 |